
「listen」と「hear」、どちらも「聞く」と訳されるけど、何が違うの?と疑問に思ったことはありませんか?
英会話や英語のテストで、この2つの単語の使い分けに迷う方はとても多いです。
間違えると「音が聞こえますか?」と聞きたかったのに「私の話を聞いてる?」という意味になってしまうなど、誤解を招くこともあります。
私自身、英語学習者の方々と関わる中で、この使い分けでつまずく人が非常に多いと感じてきました。
結論:
- 「listen」は意識して耳を傾けて「聴く」
- 「hear」は自然と音が耳に入って「聞こえる」
- 日本語の「聴く」と「聞く」の違いで覚えればOKです。
✅ この記事でわかること
- listenとhearの意味の違いと使い分けのポイント
- それぞれの単語を使った日常フレーズと例文
- hear of・hear about・hear fromの違い
- 理解度をチェックできるクイズ
- よくある疑問(進行形は使える?など)
この記事では、比較表やクイズを使って、listenとhearの違いをわかりやすく解説しています。
もう使い分けで迷わないよう、ぜひ最後までご覧ください。
「listen」と「hear」の違いとは?
「listen」と「hear」は、どちらも日本語では「聞く」と訳されます。
しかし英語では、この2つの単語は明確に使い分けられています。
ポイントは「意識して聴いているかどうか」です。
ここでは、両者の違いをシンプルに整理していきます。
listen=「意識して聴く」hear=「自然に聞こえる」
結論から言うと、listenとhearの違いは次のとおりです。
| 単語 | 意味 | イメージ |
|---|---|---|
| listen | 意識して耳を傾けて「聴く」 | 自分から積極的に聴く |
| hear | 自然と音が耳に入ってきて「聞こえる」 | 勝手に耳に入る |
たとえば、好きなアーティストの音楽を集中して聴いているときは「listen」を使います。
一方、カフェでコーヒーを飲んでいたら、たまたま隣の会話が耳に入ってきた場合は「hear」です。
つまり、自分の意志で聴くのか、自然に聞こえてくるのかがポイントになります。
私の友人に、海外ドラマが大好きな人がいます。
彼女は「毎日英語を聞いてるのに、なぜかリスニング力が上がらない」と悩んでいました。
話を聞いてみると、ドラマを流しながら別の作業をしていたそうです。
これは「hear」の状態ですよね。
意識して「listen」するようにしたら、だんだん聞き取れるようになったと喜んでいました。
日本語の「聞く」と「聴く」で覚えると簡単
実は、日本語の漢字を使うと違いがわかりやすくなります。
🔵 listen → 聴く(耳を傾けて、集中して聴く)
🔵 hear → 聞く(自然と音が耳に入る、聞こえる)
「聴」という漢字には「耳」「十」「四」「心」が含まれていて、「耳と心を使って聴く」という意味があると言われています。
まさに「listen」のイメージにぴったりですよね。
一方、「聞」は「門」と「耳」でできており、門の隙間から音が入ってくるようなニュアンス。
これは「hear」のイメージと重なります。
このように、日本語の「聴く」と「聞く」の違いを思い浮かべると、英語の使い分けも覚えやすくなります。
「Listening test」と「Hearing test」の違いで理解する
「リスニングテスト」と「ヒアリングテスト」という言葉を聞いたことがある人は多いはず。
実はこの2つ、英語ではまったく別のものを指します。
| 英語 | 意味 |
|---|---|
| Listening test | 英語の聞き取りテスト(TOEICや英検など) |
| Hearing test | 聴力検査(病院で耳が正常に聞こえるか調べるテスト) |
「Listening test」は、流れてくる英語を意識して聴き取り、内容を理解する力を測るテストです。
一方「Hearing test」は、音が聞こえるかどうか、つまり耳の機能を調べる検査のこと。
以前、英会話スクールに通っていた同僚が「私、ヒアリングが苦手で…」と言ったところ、ネイティブの先生に「耳が悪いの?」と心配されたそうです。
正しくは「リスニングが苦手」と言うべきだったんですね。
こうした場面でも、listenとhearの違いを知っておくと誤解を防げます。
【例文】「listen」の意味と使い方
listenは「意識して耳を傾ける」という意味の動詞です。
音楽を聴いたり、誰かの話に集中して耳を傾けたりするときに使います。
ここでは、listenの特徴と具体的な使い方を例文とともに見ていきましょう。
listenの基本的な意味と特徴
listenには、次のような特徴があります。
🔵 自分の意志で、積極的に耳を傾ける
🔵 音や話の「内容」を理解しようとしている
🔵 自動詞なので、目的語を置くときは「to」が必要
たとえば、先生が生徒に「よく聞きなさい」と言う場面を想像してください。
これは「ただ音が聞こえればいい」のではなく、「集中して話を聴いてほしい」というニュアンスですよね。
こうした場面では「listen」を使います。
例文:
- Listen carefully.(よく聴きなさい)
- I listen to music every morning.(私は毎朝音楽を聴いています)
- She is listening to the radio.(彼女はラジオを聴いています)
このように、listenは「能動的に聴く」というイメージで覚えておくとよいでしょう。
listen toの形で使う理由
listenを使うときに注意したいのが、「listen to + 名詞」 の形になる点です。
listenは自動詞なので、「〜を聴く」と言いたいときは前置詞「to」が必要になります。
| ○ 正しい | × 間違い |
|---|---|
| I listen to music. | I listen music. |
| Listen to me. | Listen me. |
「to」は方向を表す前置詞で、「〜に向かって耳を傾ける」というイメージです。
音や声に意識を向けている感覚ですね。
ただし、命令形で対象を示さない場合は「to」は不要です。
例文:
- Listen!(聞いて!/ちょっと!)
- Listen, I have something important to tell you.(ねえ、大事な話があるんだ)
このように、「Listen!」だけで「ちょっと聞いて」という呼びかけとして使えます。
listenを使った日常フレーズ5選
listenを使った、日常会話でよく使われるフレーズを5つ紹介します。
| フレーズ | 意味 | 使う場面 |
|---|---|---|
| Listen to me. | 私の話を聞いて | 相手に注目してほしいとき |
| I'm listening. | ちゃんと聞いてるよ | 相手の話を促すとき |
| Listen carefully. | よく聴いてね | 大事なことを伝える前 |
| I like to listen to podcasts. | ポッドキャストを聴くのが好き | 趣味の話をするとき |
| Are you listening to me? | 私の話、聞いてる? | 相手が上の空に見えるとき |
特に「Are you listening to me?」は、相手が話を聞いていないように感じたときに使うフレーズです。
「聞いてるの?」と少し怒っているニュアンスが含まれることもあります。
私の知人で、英語の会議中にぼんやりしていたら、上司から「Are you listening?」と言われてドキッとした人がいます。
日本語の「聞いてる?」と同じで、ちょっと注意されている感じですね。
listenには「ちゃんと集中して聴く」という意味があるからこそ、このような使い方ができるのです。
【例文】「hear」の意味と使い方
hearは「自然と音が耳に入ってくる」「聞こえる」という意味の動詞です。
意識していなくても、音や声が勝手に耳に入ってくる状況で使います。
ここでは、hearの特徴と具体的な使い方を例文とともに解説します。
hearの基本的な意味と特徴
hearには、次のような特徴があります。
🔵 意識しなくても、自然と音が耳に入ってくる
🔵 「聞こえる」という受け身的なニュアンス
🔵 他動詞なので、目的語を直接置ける(toは不要)
たとえば、部屋で勉強していたら外から救急車のサイレンが聞こえてきた、という場面。これは自分から聴こうとしたわけではなく、自然と耳に入ってきた音ですよね。
こうした場面では「hear」を使います。
例文:
- I heard a strange noise.(変な音が聞こえた)
- Can you hear me?(私の声、聞こえますか?)
- She heard someone knocking on the door.(彼女はドアをノックする音が聞こえた)
このように、hearは「受動的に聞こえる」というイメージで覚えておきましょう。
hearは進行形にしないのが基本
hearを使うときに知っておきたいのが、原則として進行形にしないという点です。
hearは「聞こえる」という状態を表す動詞(状態動詞)なので、「I'm hearing」という形は通常使いません。
| ○ 正しい | × 不自然 |
|---|---|
| I can hear music. | I'm hearing music. |
| Do you hear that? | Are you hearing that? |
「今、音楽が聞こえている」と言いたいときも、「I can hear music.」のように「can」を使って表現するのが自然です。
ただし、例外もあります。「最近よく〜という話を耳にする」という意味では、進行形が使われることもあります。
例文:
- I'm hearing a lot about that new restaurant.(あの新しいレストランの話をよく耳にするよ)
このような使い方はネイティブでもすることがありますが、基本的には「hearは進行形にしない」と覚えておくと間違いが減ります。
hearを使った日常フレーズ5選
hearを使った、日常会話でよく使われるフレーズを5つ紹介します。
| フレーズ | 意味 | 使う場面 |
|---|---|---|
| Can you hear me? | 聞こえますか? | 電話やオンライン会議で |
| I heard that... | 〜だと聞いたよ | 噂や情報を伝えるとき |
| Did you hear the news? | そのニュース聞いた? | 話題を共有するとき |
| I can't hear you. | 聞こえないよ | 声が小さい・電波が悪いとき |
| I've heard a lot about you. | お噂はかねがね | 初対面の挨拶で |
特に「Can you hear me?」は、オンライン会議やビデオ通話でよく使うフレーズです。
これは「私の声が聞こえていますか?」という意味で、音声が届いているかどうかを確認しています。
ここで「Can you listen to me?」と言ってしまうと、「私の話をちゃんと聴いてくれますか?」という別の意味になるので注意が必要です。
私の友人で、オンライン英会話を始めたばかりの人がいました。
通信トラブルで声が途切れたとき、「Can you listen to me?」と言ってしまい、先生から「Of course I'm listening!(もちろん聴いてるよ!)」と返されて恥ずかしかったそうです。
正しくは「Can you hear me?」ですね。
「listen」と「hear」を一文で使い分ける例文
listenとhearの違いを理解するには、両方を使った例文を見るのが一番です。
1つの文の中で使い分けることで、それぞれのニュアンスがはっきりと見えてきます。
ここでは、違いを体感できる例文と、迷いやすい場面での使い分けを紹介します。
両方を使った鉄板例文で感覚をつかむ
listenとhearの違いを説明するとき、よく使われる「鉄板例文」があります。
I was listening to music when I heard the phone ring. (電話が鳴ったとき、私は音楽を聴いていました)
この文には「listen」と「hear」の両方が登場しています。
| 部分 | 使われている動詞 | 意味 |
|---|---|---|
| I was listening to music | listen | 音楽を意識して聴いていた |
| I heard the phone ring | hear | 電話の音が自然と耳に入った |
音楽は自分の意志で集中して聴いていたので「listen」。
一方、電話の音は聴こうとしていたわけではなく、たまたま耳に入ってきたので「hear」を使います。
もう1つ、似たパターンの例文を見てみましょう。
I was listening to the teacher when I heard a fire alarm. (先生の話を聴いていたとき、火災報知器の音が聞こえた)
こちらも同じ構造です。
先生の話は集中して聴いていた(listen)けれど、火災報知器は突然鳴って耳に入ってきた(hear)という状況ですね。
このように、1つの文で両方を使うと、違いがよりクリアになります。
音楽を「聴く」はどっち?場面別の使い分け
「音楽を聴く」と言いたいとき、listenとhearのどちらを使えばよいのでしょうか?
結論から言うと、基本的には「listen to music」を使います。
自分から音楽を選んで聴いている状況は、意識的に聴いているからです。
| 場面 | 使う動詞 | 例文 |
|---|---|---|
| イヤホンで好きな曲を聴く | listen | I'm listening to my favorite song. |
| お店でBGMが流れている | hear | I heard music playing in the store. |
| ライブで演奏を楽しむ | hear | What do you want to hear next? |
ここで注目したいのが、ライブ会場での使い方です。
コンサートでアーティストが「次、何聴きたい?」と観客に聞くとき、英語では次のように言います。
What do you wanna hear next?
「あれ?聴きたいんだからlistenじゃないの?」と思うかもしれません。
しかし、この場面ではアーティスト側が主導権を握っていて、観客は演奏される音を受け取る立場。
だから「hear」が使われるのです。
一方、通勤中にイヤホンで「音楽でも聴こうかな」と思ったときは、自分で選んで聴くので次のようになります。
I'm going to listen to some music.
つまり、自分でコントロールできるかどうかも使い分けのポイントになります。
| 状況 | 動詞 | 理由 |
|---|---|---|
| 自分で曲を選んで聴く | listen | 主導権が自分にある |
| 演奏やライブを楽しむ | hear | 主導権が演奏者にある |
| たまたま音楽が聞こえる | hear | 意識せず耳に入った |
この違いを知っておくと、ネイティブの表現がより深く理解できるようになります。
hear of・hear about・hear fromの違い
hearには「hear of」「hear about」「hear from」という3つの重要な表現があります。
どれも「聞く」に関係していますが、意味やニュアンスが異なります。
ここでは、それぞれの違いをわかりやすく解説します。
hear of=存在を聞く
「hear of」は、何かの存在を聞いて知っているという意味で使います。
🔵 「〜の名前を聞いたことがある」「〜の存在を知っている」
🔵 詳しい内容までは知らないニュアンス
例文:
- Have you heard of this band?(このバンドを知ってる?)
- I've never heard of that word.(その言葉、聞いたことがない)
- She has heard of the restaurant but never been there.(彼女はそのレストランの名前は知っているが、行ったことはない)
「hear of」は「存在は知っているけれど、詳しいことはわからない」というニュアンスがポイントです。
たとえば、「Have you heard of Shohei Ohtani?」と聞かれたら、「大谷翔平という人がいることを知っていますか?」という意味になります。
名前は知っているけれど、どんな選手か詳しくは知らない場合でも「Yes」と答えられます。
hear about=詳しく聞く
「hear about」は、何かについて詳しい情報を聞くという意味で使います。
🔵 「〜について(詳しく)聞く」「〜のニュースを聞く」
🔵 周辺の情報も含めて聞いているニュアンス
例文:
- Did you hear about the accident?(あの事故のこと聞いた?)
- I've heard a lot about you.(あなたのことはいろいろ聞いています)
- She heard about his promotion yesterday.(彼女は昨日、彼の昇進について聞いた)
「hear about」は「hear of」よりも具体的な情報を聞いているイメージです。
| 表現 | ニュアンス | 例 |
|---|---|---|
| hear of | 存在を知っている程度 | 名前だけ聞いたことがある |
| hear about | 詳しい内容を聞いている | 何があったか具体的に知っている |
たとえば、同じ「事故について」でも違いがあります。
- I heard of the accident.(事故があったことは知っている)
- I heard about the accident.(事故の詳細を聞いた)
「hear of」は「事故があったらしい」程度の認識で、「hear about」は「いつ、どこで、どんな事故だったか」まで聞いているニュアンスになります。
hear from=連絡をもらう
「hear from」は、誰かから連絡をもらうという意味で使います。
🔵 「〜から連絡がある」「〜から便りがある」
🔵 手紙・電話・メールなど連絡手段を問わない
例文:
- Have you heard from Tom recently?(最近トムから連絡あった?)
- I hope to hear from you soon.(お返事お待ちしています)
- I haven't heard from her since last month.(先月から彼女から連絡がない)
「hear from」は、しばらく会っていない人や離れた場所にいる人からの連絡を指すことが多いです。
ビジネスメールの締めくくりでよく使われる「I look forward to hearing from you.」は、「ご連絡をお待ちしております」という定番フレーズ。
覚えておくと便利です。
最後に、3つの違いを表にまとめます。
| 表現 | 意味 | ポイント |
|---|---|---|
| hear of | 〜の存在を聞く | 名前を知っている程度 |
| hear about | 〜について詳しく聞く | 具体的な情報を得る |
| hear from | 〜から連絡をもらう | 人からの連絡・便り |
私の知人に、海外の取引先とやり取りしている人がいます。
以前「I haven't heard about him.」と書いたところ、相手から「彼に何かあったの?」と心配されたそうです。
本当は「彼から連絡がない」と言いたかったので、正しくは「I haven't heard from him.」でした。
前置詞1つで意味が変わるので、注意が必要ですね。
【クイズ】「listen」と「hear」を正しく使い分けよう
ここまでlistenとhearの違いを解説してきました。
では、実際に使い分けができるかクイズで確認してみましょう。
カッコ内に「listen」か「hear」のどちらかを入れてください。
問題(5問)
Q1. I( )to music every day. 私は毎日音楽を聴いています。
Q2. Can you( )me? 私の声、聞こえますか?
Q3. She doesn't( )to other people. 彼女は他人の言うことを聞かない。
Q4. I( )a strange noise outside. 外で変な音が聞こえた。
Q5. I was( )to the radio when I( )someone knock on the door. ドアをノックする音が聞こえたとき、私はラジオを聴いていました。
解答と解説
Q1. 答え:listen I listen to music every day.
音楽は自分から意識して聴くものなので「listen」を使います。
「listen to + 名詞」の形になる点も忘れずに。
Q2. 答え:hear Can you hear me?
相手の耳に自分の声が届いているかを確認するフレーズです。
「聞こえていますか?」という意味なので「hear」が正解。
オンライン会議や電話でよく使う表現ですね。
Q3. 答え:listen She doesn't listen to other people.
他人の話に耳を傾けない、という意味です。
「ちゃんと聴こうとしない」というニュアンスなので「listen」を使います。
Q4. 答え:heard I heard a strange noise outside.
意識して聴こうとしたわけではなく、自然と音が耳に入ってきた状況です。
受け身的に「聞こえた」ので「hear」の過去形「heard」が正解。
Q5. 答え:listening / heard I was listening to the radio when I heard someone knock on the door.
これは本記事でも紹介した「鉄板例文」のパターンです。
ラジオは意識して聴いていた(listening)けれど、ノックの音は突然耳に入ってきた(heard)という状況。
1つの文で両方を使い分けています。
結果はいかがでしたか?
| 正解数 | コメント |
|---|---|
| 5問正解 | 完璧です!listenとhearの違いをしっかり理解できています |
| 3〜4問正解 | あと少し!間違えた問題を復習すれば完璧です |
| 1〜2問正解 | もう一度、本記事の解説を読み返してみましょう |
間違えた問題があっても大丈夫です。
繰り返し例文に触れることで、自然と使い分けの感覚が身についていきます。
「listen」と「hear」に関するQ&A
listenとhearの使い分けについて、よくある疑問をQ&A形式でまとめました。
細かいニュアンスの違いや、迷いやすいポイントを解説します。
「Can you hear me?」と「Are you listening to me?」の違いは?
どちらも「聞く」に関するフレーズですが、意味はまったく異なります。
| フレーズ | 意味 | 使う場面 |
|---|---|---|
| Can you hear me? | 私の声、聞こえますか? | 電話やオンライン会議で音声確認 |
| Are you listening to me? | 私の話、聞いてる? | 相手が上の空に見えるとき |
「Can you hear me?」は、物理的に声が届いているかを確認するフレーズです。
電波が悪いときや、声が小さいときに使います。
一方「Are you listening to me?」は、相手がちゃんと話に集中しているかを確認するフレーズ。
少し怒っているニュアンスが含まれることもあり、「ねえ、聞いてるの?」という感じです。
オンライン会議で音声トラブルがあったときは「Can you hear me?」が正解。間違えて「Are you listening to me?」と言うと、「もちろん聞いてるよ!」と誤解されてしまうので注意しましょう。
コンサートで「次、何聴きたい?」はlistenとhearどっち?
意外かもしれませんが、「hear」を使います。
What do you wanna hear next? (次、何聴きたい?)
「聴きたいんだからlistenでは?」と思いがちですが、コンサートではアーティスト側が主導権を握っています。
観客は演奏される音を受け取る立場なので、「hear」が使われるのです。
一方、自分でプレイリストから曲を選ぶ場面なら「listen」を使います。
What do you want to listen to? (何聴きたい?)
この場合は自分で曲を選べるので、主導権は自分にあります。
「自分でコントロールできるかどうか」が使い分けのポイントになります。
「噂を聞いた」はhearとlistenどっちを使う?
「hear」を使います。
噂は意識して聴くものではなく、自然と耳に入ってくるものだからです。
例文:
- I heard a rumor about him.(彼についての噂を聞いた)
- Did you hear that she's getting married?(彼女が結婚するって聞いた?)
- I've heard a lot about you.(あなたの噂はいろいろ聞いています)
「噂を聞く」「ニュースを聞く」「情報を耳にする」など、誰かから間接的に情報が入ってくる場合は基本的に「hear」を使うと覚えておきましょう。
listen forとlisten toの違いは?
どちらも「listen」を使った表現ですが、ニュアンスが異なります。
| 表現 | 意味 | ニュアンス |
|---|---|---|
| listen to | 〜を聴く | 今ある音に耳を傾ける |
| listen for | 〜を聴こうとして待つ | これから来る音を待ち構える |
「listen for」は、まだ聞こえていない音を待っているイメージです。
例文:
- I'll listen for the doorbell.(ドアベルが鳴るのを聞き逃さないようにするね)
- Listen for your name to be called.(名前が呼ばれるのを聞いていてね)
たとえば、友達が「家に着いたらクラクション鳴らすね」と言ったとき、「OK, I'll listen for it.」と返せます。
これは「クラクションの音を聞き逃さないように待ってるね」という意味です。
「listen to」が今聞こえている音に集中するのに対し、「listen for」はこれから聞こえてくる音を待ち構えている点が違いです。
「I'm hearing」のように進行形は使える?
基本的には使いません。
hearは「聞こえる」という状態を表す動詞(状態動詞)なので、原則として進行形にしないのがルールです。
| ○ 自然 | × 不自然 |
|---|---|
| I can hear music. | I'm hearing music. |
| Do you hear that? | Are you hearing that? |
「今、音楽が聞こえている」と言いたいときは、「I can hear music.」のように「can」を使って表現します。
ただし、例外的に進行形が使われるケースもあります。
例文:
- I'm hearing a lot of good things about that restaurant.(あのレストランの良い評判をよく耳にするよ)
この場合は「最近よく〜という話を聞く」という継続的なニュアンスで、進行形が使われることがあります。
しかし、これはやや上級の表現なので、まずは「hearは進行形にしない」と覚えておけば間違いありません。
まとめ
「listen」と「hear」は、どちらも日本語では「聞く」と訳されますが、英語では明確に使い分けられています。
listenは「意識して耳を傾けて聴く」、hearは「自然と音が耳に入ってくる」というのが基本の違いです。
日本語の「聴く」と「聞く」の違いをイメージすると覚えやすいでしょう。
また、hear of・hear about・hear fromなど、前置詞によって意味が変わる表現も押さえておくと便利です。
最初は迷うこともあるかもしれませんが、例文に繰り返し触れることで、自然と使い分けの感覚が身についていきます。
ぜひ日常の中で意識して使ってみてください。










