「罹患」と「羅漢」の違いとは?読み方・意味・例文でわかりやすく解説

「罹患」という言葉、正しく読めますか?ニュースや健康診断の書類で見かけるこの漢字を「らかん」と読んでいる方は要注意です。

「罹患」と「羅漢」は漢字の見た目がとても似ているため、読み間違いや混同が起きやすい言葉です。

ビジネスの場で間違えると、思わぬ恥をかいてしまうこともあります。

私自身、職場の同僚が会議中に「らかんりつ」と発言して指摘されている場面に遭遇したことがあります。

結論:

  • 「罹患(りかん)」= 病気にかかること
  • 「羅漢(らかん)」= 仏教で悟りを開いた人
  • 読み方も意味もまったく異なる別の言葉です。

この記事でわかること

  • 「罹患」と「羅漢」の意味・読み方の違い
  • 「罹患」を「らかん」と誤読しやすい理由
  • それぞれの正しい使い方と例文
  • 理解度を確認できるクイズ
  • 「罹患」と「感染」の違いなどよくある疑問

この記事では、比較表やクイズを使って「罹患」と「羅漢」の違いをわかりやすく解説しています。

もう読み間違いで恥をかかないよう、ぜひ最後までご覧ください。

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「罹患」と「羅漢」の違いとは?読み方と意味を解説

「罹患」と「羅漢」は、見た目が似ているため混同されやすい言葉です。

しかし、読み方も意味もまったく異なります。

「罹患」は病気に関する医療用語、「羅漢」は仏教に由来する宗教用語です。

この章では、それぞれの正しい読み方と意味をわかりやすく解説します。

「罹患(りかん)」の意味と読み方

罹患」は「りかん」と読みます。

「らかん」と読むのは誤りですので注意しましょう。

意味は「病気にかかること」です。

医療現場やニュースなどでよく使われる言葉で、特にインフルエンザや感染症の流行時に耳にする機会が増えます。

「罹」という漢字には「(災いや病気に)かかる、出会う」という意味があり、「患」には「病気、わずらう」という意味があります。

この2つが組み合わさって「病気にかかる」という意味になりました。

日常会話ではあまり使いませんが、以下のような場面で登場します。

🔹 病院での説明や診断書
🔹 ニュースや新聞の報道
🔹 会社への届出書類(罹患証明書など)

実際に、私の知人は会社に提出する書類で「罹患証明書」という言葉を初めて見て、読み方がわからず困ったそうです。

普段使わない言葉だからこそ、正しい読み方を知っておくと安心ですね。

「羅漢(らかん)」の意味と読み方

羅漢」は「らかん」と読みます。

こちらは仏教用語で、病気とはまったく関係がありません。

正式には「阿羅漢(あらかん)」といい、サンスクリット語の「アルハット」を音訳した言葉です。

意味は「悟りを開いた修行者」「尊敬を受けるに値する人」を指します。

日本では、お寺にある「五百羅漢(ごひゃくらかん)」の像が有名です。

これは500人の羅漢を彫刻にしたもので、一体一体表情が異なるのが特徴です。

観光地としても人気があり、神奈川県の建長寺や東京都の目黒羅漢寺などで見ることができます。

🔹 「羅漢」=仏教で悟りを開いた聖者
🔹 「五百羅漢」=500人の羅漢像(観光名所として有名)
🔹 「羅漢果(らかんか)」=中国原産の植物(甘味料として使用)

友人がお寺巡りをしていたとき、「五百羅漢を見てきた」と話していたのを「500人も病気にかかった」と勘違いした人がいたそうです。

まさに「羅漢」と「罹患」を混同した例ですね。

「罹患」と「羅漢」の違い一覧表

2つの言葉の違いを表にまとめました。

項目 罹患 羅漢
読み方 りかん らかん
意味 病気にかかること 悟りを開いた修行者
分野 医療・健康 仏教・宗教
使用場面 ニュース、病院、届出書類 お寺、仏像、観光
インフルエンザに罹患する 五百羅漢を見学する

このように、読み方が「りかん」と「らかん」で一文字違うだけでなく、意味や使う場面もまったく異なります。

混同しないよう、しっかり覚えておきましょう。

【ここがポイント!】
✓ 罹患(りかん)= 病気にかかること(医療用語)
✓ 羅漢(らかん)= 悟りを開いた修行者(仏教用語)
✓ 読み方は「りかん」と「らかん」で一文字違い
✓ 意味も使う場面もまったく異なる
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「罹患」を「らかん」と読むのは間違い!誤読が多い理由

「罹患」を「らかん」と読んでしまう人は少なくありません。

実際にニュースを見ていて「らかん」と読んでいたという声もよく聞きます。

なぜこのような誤読が起きるのでしょうか。

ここでは、間違えやすい理由と、絶対に覚えておきたいポイントを解説します。

「罹」と「羅」の漢字が似ている

誤読の最大の原因は、「罹」と「羅」の漢字がとても似ていることです。

どちらも上部に「罒(あみがしら)」があり、パッと見ただけでは区別がつきにくい形をしています。

違いは下の部分で、「罹」は「離」の右側、「羅」は「維」の右側に近い形です。

漢字 読み 部首 意味
罒(あみがしら) 災いや病気にかかる
罒(あみがしら) 網、連ねる、薄い絹
「罹」は常用漢字ではないため、学校で習う機会がほとんどありません。

一方、「羅」は「羅列」「網羅」などの熟語で目にすることがあり、なじみがあります。

そのため、見慣れない「罹」を見たときに、知っている「羅」と混同してしまうのです。

私の同僚も、健康診断の結果を見て「罹患歴なし」を「らかんれき」と読んでいました。

指摘すると「ずっと『らかん』だと思っていた」と驚いていました。

見た目が似ている漢字だからこそ、意識して覚える必要がありますね。

「羅患」という言葉は存在しない

もうひとつ押さえておきたいのは、「羅患」という言葉は日本語に存在しないということです。

インターネットで「羅患」と検索すると、多くのページがヒットします。

しかし、これらはすべて「罹患」の誤字・誤変換です。

正しい日本語として「羅患」という熟語はありません。

🔹 ✕ 羅患(らかん)→ 存在しない言葉
🔹 ○ 罹患(りかん)→ 病気にかかること
🔹 ○ 羅漢(らかん)→ 仏教の悟りを開いた人

パソコンやスマートフォンで「らかん」と入力すると、「羅漢」は変換候補に出てきますが、「羅患」は出てきません。

もし「らかん」で変換して「羅患」と表示された場合は、誤字として登録されている可能性があります。

ビジネス文書やメールで「羅患」と書いてしまうと、相手に「漢字を間違えている」と思われてしまいます。

正式な書類ではとくに注意が必要です。

入力するときは「りかん」と打って「罹患」と変換するようにしましょう。

【間違えないためのポイント!】
✓ 「罹」と「羅」は見た目が似ているが別の漢字
✓ 「羅患」という言葉は日本語に存在しない
✓ 入力するときは「りかん」で変換すること
✓ 「罹患」=「り」と覚えておくと間違えにくい
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「罹患」の正しい使い方と例文

「罹患」は医療やニュースでよく使われる言葉ですが、日常会話ではあまりなじみがないかもしれません。

しかし、正しい使い方を知っておくと、書類作成や会話で役立つ場面があります。

ここでは「罹患」の具体的な使い方と、実際に使える例文を紹介します。

「罹患する」の使い方

「罹患」は「罹患する」という形で動詞として使うのが一般的です。

「病気にかかる」「病気になる」と同じ意味で、よりフォーマルな表現として用いられます。

🔹 インフルエンザに罹患する
🔹 新型ウイルスに罹患した
🔹 感染症に罹患している

「罹患する」は主に以下のような場面で使われます。

使用場面 具体例
医療機関 「昨年、肺炎に罹患した記録があります」
ニュース報道 「今年の罹患者数は過去最多となった」
公的書類 「罹患証明書を提出してください」
ビジネス文書 「従業員が感染症に罹患した場合の対応」

日常会話では「病気にかかった」「インフルになった」と言うことが多いですが、文書やフォーマルな場面では「罹患」を使うと、より正確で専門的な印象を与えられます。

「罹患者」「罹患率」の意味と使い方

「罹患」を使った関連語もよく登場します。

代表的なものを覚えておきましょう。

🔹 罹患者(りかんしゃ)
病気にかかった人のことです。
「感染者」「患者」とほぼ同じ意味ですが、統計やニュースなどでよく使われます。

🔹 罹患率(りかんりつ)
ある期間内に、特定の病気にかかった人の割合を示す数値です。
「10万人あたりの罹患率」のように使い、病気の流行状況を把握するための指標となります。

🔹 罹患歴(りかんれき)
過去に特定の病気にかかったことがあるかどうかの記録です。
健康診断や保険加入時に確認されることがあります。

🔹 罹患証明書(りかんしょうめいしょ)
感染症などにかかったことを証明する書類です。
学校や会社に提出を求められる場合があります。

知人が保険の申し込みをしたとき、「過去5年間の罹患歴を記入してください」という欄があり、意味がわからず困ったそうです。

このような場面で慌てないためにも、関連語の意味を知っておくと安心です。

ビジネスや日常で使える例文集

「罹患」を使った例文を場面別にまとめました。

実際に文章を書くときの参考にしてください。

【医療・健康に関する例文】

🔹 今年に入ってから、インフルエンザに罹患する人が増えている。
🔹 一度罹患すると免疫ができるといわれている。
🔹 早期発見のために、罹患リスクが高い人は定期検診を受けましょう。

【ニュース・報道に関する例文】

🔹 厚生労働省の発表によると、今年の罹患者数は昨年を上回った。
🔹 この地域での罹患率は全国平均より高い傾向にある。
🔹 罹患後の後遺症について、研究が進められている。

【ビジネス・書類に関する例文】

🔹 従業員が感染症に罹患した場合は、速やかに報告してください。
🔹 罹患証明書を添付のうえ、届出書を提出してください。
🔹 罹患歴の有無について、該当する項目にチェックを入れてください。

どの例文も「病気にかかる」と言い換えられますが、「罹患」を使うことで文章がフォーマルになり、公的な場面にふさわしい表現になります。

【「罹患」関連語まとめ】
✓ 罹患する = 病気にかかる(動詞)
✓ 罹患者 = 病気にかかった人
✓ 罹患率 = 病気にかかった人の割合
✓ 罹患歴 = 過去にかかった病気の記録
✓ 罹患証明書 = 病気にかかったことを証明する書類

「羅漢」の正しい使い方と例文

「羅漢」は仏教に由来する言葉で、「罹患」とはまったく異なる分野で使われます。

お寺や観光地で目にしたことがある方も多いでしょう。

ここでは「羅漢」の正しい意味と、日常で見かける使い方を紹介します。

仏教用語としての「羅漢」

「羅漢(らかん)」は、仏教において悟りを開いた修行者を指す言葉です。

正式には「阿羅漢(あらかん)」といい、古代インドの言葉であるサンスクリット語の「アルハット(arhat)」を音訳したものです。

「阿羅漢」には以下のような意味が込められています。

🔹 応供(おうぐ):供養を受けるにふさわしい人
🔹 殺賊(さつぞく):煩悩という賊を滅ぼした人
🔹 不生(ふしょう):迷いの世界に生まれ変わることがない人

簡単にいえば、厳しい修行を経て悟りの境地に達し、人々から尊敬される存在のことです。

仏教では、お釈迦様の弟子の中でも特に優れた修行者を「羅漢」と呼びました。

日本では「十六羅漢」や「五百羅漢」として知られています。

これは、お釈迦様の教えを後世に伝えた16人、または500人の優れた弟子たちを指します。

各地のお寺には、これらの羅漢を彫刻にした像が安置されており、観光名所としても親しまれています。

日常で見かける「羅漢」の使用例

「羅漢」は仏教用語ですが、日常生活でも意外と目にする機会があります。

代表的な使用例を紹介します。

【五百羅漢(ごひゃくらかん)】

全国各地のお寺にある500体の羅漢像のことです。

一体一体の表情が異なり、「必ず自分に似た顔がある」といわれています。

有名なスポットには以下のような場所があります。

名称 所在地 特徴
喜多院 埼玉県川越市 538体の石像、表情豊かで人気
建長寺 神奈川県鎌倉市 鎌倉五山第一位の名刹
羅漢寺 大分県中津市 日本最古の五百羅漢
天寧寺 広島県尾道市 五百羅漢が並ぶ「羅漢堂」

私の友人が川越の喜多院を訪れたとき、「本当に自分に似た羅漢像を見つけた」と写真を見せてくれました。

ユニークな表情の像が並ぶ光景は、一見の価値があるそうです。

【羅漢果(らかんか)】

中国南部原産のウリ科の植物です。

果実は強い甘味を持ち、砂糖の約300倍の甘さがあるといわれています。

カロリーがほぼゼロのため、ダイエット甘味料や健康食品として注目されています。

🔹 羅漢果エキス入りの飲料
🔹 羅漢果を使った甘味料
🔹 漢方薬の原料として使用

スーパーやドラッグストアで「羅漢果」と書かれた商品を見かけることがあるかもしれません。

「罹患」と間違えないよう、意味の違いを覚えておきましょう。

【羅漢を使った例文】

🔹 週末に鎌倉へ行き、五百羅漢を見学してきた。
🔹 このお寺には、江戸時代に作られた羅漢像が残っている。
🔹 羅漢果から抽出した甘味料は、カロリーを気にする人に人気だ。
🔹 十六羅漢の絵画は、仏教美術の傑作として知られている。

【「羅漢」関連語まとめ】
✓ 羅漢(らかん)= 悟りを開いた修行者
✓ 阿羅漢(あらかん)= 羅漢の正式名称
✓ 五百羅漢 = 500体の羅漢像(観光名所として有名)
✓ 十六羅漢 = 16人の優れた弟子を表した像
✓ 羅漢果 = 甘味料として使われる植物

【クイズ】「罹患」と「羅漢」正しいのはどっち?

ここまで「罹患」と「羅漢」の違いを解説してきました。

しっかり理解できたか、クイズで確認してみましょう。

全問正解を目指してチャレンジしてください。

第1問:病気にかかることを表すのは?

問題:「病気にかかること」を意味する言葉はどちらでしょうか?

A. 羅漢(らかん)
B. 罹患(りかん)

正解:B. 罹患(りかん)

「罹患」は「病気にかかること」を意味する医療用語です。

「罹」という漢字には「災いや病気にかかる」という意味があります。

一方、「羅漢」は仏教で悟りを開いた修行者のことで、病気とは関係ありません。

読み方が似ているので混同しやすいですが、意味はまったく異なります。

第2問:お寺にある像の名前は?

問題:全国のお寺にある「500体の像」は何と呼ばれているでしょうか?

A. 五百罹患(ごひゃくりかん)
B. 五百羅漢(ごひゃくらかん)

正解:B. 五百羅漢(ごひゃくらかん)

「五百羅漢」は、お釈迦様の教えを後世に伝えた500人の優れた弟子を像にしたものです。

川越の喜多院や鎌倉の建長寺などで見ることができます。

「五百罹患」という言葉は存在しません。

「罹患」は病気に関する言葉なので、「500人が病気にかかった」という意味になってしまいます。

お寺の話題で「らかん」と聞いたら、「羅漢」のことだと覚えておきましょう。

第3問:正しい読み方はどれ?

問題:「インフルエンザに罹患する」の「罹患」の正しい読み方は?

A. らかん
B. りかん
C. らがん

正解:B. りかん

「罹患」の正しい読み方は「りかん」です。

「らかん」と読むのは誤りなので注意しましょう。

「罹」の音読みは「リ」です。

「羅」の音読みが「ラ」であるため、漢字の見た目から「らかん」と読んでしまう人が多いのですが、これは間違いです。

覚え方のコツ

🔹 「罹患(りかん)」=「り」病気に関わる言葉
🔹 「羅漢(らかん)」=「ら」仏教に関わる言葉

最初の一文字の読み方で、どちらの言葉かを判断できます。

【クイズの結果】

正解数 評価
3問正解 素晴らしい!「罹患」と「羅漢」の違いを完璧に理解しています
2問正解 もう少し!間違えた問題を復習しましょう
1問以下 記事を読み返して、もう一度チャレンジしてみてください

「罹患」と「羅漢」に関するQ&A

「罹患」と「羅漢」について、よくある疑問をQ&A形式でまとめました。

気になる項目をチェックして、理解を深めましょう。

「罹患」と「感染」の違いは?

Q. 「罹患」と「感染」は同じ意味ですか?

A. 似ていますが、厳密には意味が異なります。

言葉 意味 ポイント
感染 病原体(ウイルス・細菌など)が体内に侵入すること 症状が出ていなくても「感染」という
罹患 病気にかかり、症状が現れること 実際に病気を発症した状態を指す

つまり、「感染」は病原体が体に入った段階、「罹患」は病気として発症した段階を指します。

たとえば、ウイルスに感染しても症状が出ない「無症状感染者」という言葉があります。

この場合、「感染」はしていますが、「罹患」とは言いません。

症状が出て初めて「罹患した」という表現が使われます。

ただし、日常会話やニュースでは、両者を厳密に区別せずに使うこともあります。

「罹患」の類語にはどんなものがある?

Q. 「罹患」と同じ意味の言葉はありますか?

A. 以下のような類語があります。

🔹 病気にかかる:最も一般的でわかりやすい表現
🔹 発症する:病気の症状が現れること
🔹 患う(わずらう):病気に苦しむこと
🔹 病む(やむ):病気になること
🔹 病に伏す(やまいにふす):病気で寝込むこと

「罹患」はフォーマルな場面で使われることが多いため、日常会話では「病気にかかる」「発症する」などの表現を使うとよいでしょう。

場面 おすすめの表現
日常会話 病気にかかる、風邪をひく
ビジネス文書 罹患する、発症する
医療・公的機関 罹患する

「罹患」を英語で言うと?

Q. 「罹患」は英語でどう表現しますか?

A. 主に以下の表現が使われます。

🔹 contract:病気にかかる(最も一般的)
🔹 develop:(病気を)発症する
🔹 suffer from:(病気に)苦しむ
🔹 be affected by:(病気の)影響を受ける

例文 :

🔹 He contracted influenza.
(彼はインフルエンザに罹患した)

🔹 She developed pneumonia.
(彼女は肺炎を発症した)

🔹 Many people are suffering from allergies.
(多くの人がアレルギーに苦しんでいる)

「罹患率」は英語で「morbidity rate」または「incidence rate」と表現します。

医学論文や統計で使われる専門用語です。

「り患」と「罹患」は同じ意味?

Q. 「り患」と「罹患」はどう違いますか?

A. 同じ意味です。「り患」は「罹患」をひらがな交じりで表記したものです。

「罹」という漢字は常用漢字ではないため、新聞や公的文書では「り患」と表記されることがあります。

読みやすさを重視した書き方です。

🔹 罹患 = り患(同じ意味)
🔹 罹患者 = り患者(同じ意味)
🔹 罹患率 = り患率(同じ意味)

新聞社によって表記ルールが異なり、「罹患」と書く場合と「り患」と書く場合があります。

どちらを使っても間違いではありませんが、正式な医療文書では「罹患」と漢字で書くことが多いです。

「罹患歴」とはどういう意味?

Q. 健康診断で見かける「罹患歴」とは何ですか?

A. 「罹患歴(りかんれき)」とは、過去にかかった病気の記録のことです。

健康診断の問診票や保険の申込書などで、「過去の罹患歴を記入してください」と求められることがあります。

これは、以前どんな病気にかかったことがあるかを確認するためです。

記入を求められることが多い罹患歴の例

🔹 がん、心臓病、脳卒中などの重大な病気
🔹 糖尿病、高血圧などの慢性疾患
🔹 結核、肝炎などの感染症
🔹 入院や手術を伴った病気

罹患歴は、医師が適切な診断や治療を行うために重要な情報です。

また、保険会社が加入審査を行う際の判断材料にもなります。

正確に記入することで、より適切な医療やサービスを受けることができます。

まとめ

「罹患」と「羅漢」は、漢字の見た目が似ているため混同されやすい言葉です。

しかし、読み方も意味もまったく異なります。

「罹患(りかん)」は病気にかかることを表す医療用語で、ニュースや病院でよく使われます。

一方、「羅漢(らかん)」は仏教で悟りを開いた修行者を指し、五百羅漢などの観光名所で知られています。

「罹患」を「らかん」と読むのは誤りです。

また、「羅患」という言葉は日本語に存在しません。

ビジネス文書やメールで間違えると恥ずかしい思いをすることもあるため、正しい読み方をしっかり覚えておきましょう。

迷ったときは「罹患=り=病気」「羅漢=ら=仏教」と覚えると区別しやすくなります。

著者・監修者情報

日本語ライター/語彙研究家。幼い頃から日本語や言葉の響きに深い関心を持ち、
言葉の意味や使い分けを体系的に学んできました。
現在は「日本語の奥深さをわかりやすく伝える」をテーマに、記事執筆・監修を行っています。

資格・経歴

  • 2012年:日本語検定1級 取得
  • 2012年:日本語文章能力検定1級 取得
  • 日本語教育・語彙研究分野での執筆・監修活動(累計100記事以上)

▶ 著者・監修者プロフィールを見る

※本記事は日本語学習・語彙研究の観点から執筆・監修されています。
※内容は複数の国語辞典・文化庁資料を参考に、独自の視点で再構成しています。

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