「知識」と「情報」の違いは？辞書比較と具体例でスッキリ理解できる解説

「知識」と「情報」、どちらも日常でよく使う言葉ですが、「違いを説明して」と言われると意外と難しいものです。

ビジネスメールで「情報を共有します」と書くべきか「知識を共有します」と書くべきか、迷った経験はありませんか？

私自身、言葉の使い分けに関する記事を執筆する中で、この2つの違いを正確に説明できる人が少ないことに気づきました。

✅ この記事でわかること

この記事では、辞書比較や具体例、クイズを交えてわかりやすく解説しています。

正しく使い分けたい方は、最後までご覧ください。

「知識」と「情報」の違いとは？

「知識がある」「情報を集める」など、日常でよく使う言葉ですが、この2つの違いを説明できる人は意外と少ないかもしれません。

まずはそれぞれの意味を確認し、違いを一覧表で整理していきましょう。

「知識」の意味

「知識」とは、学習や経験を通じて身につけた事柄のことです。

たとえば、学校で習った歴史の年号や、仕事で覚えた業務のやり方などが「知識」にあたります。

ポイントは、ただ聞いただけではなく、自分の頭の中で理解して蓄えられているという点です。

知識は一度身につけると、必要なときにいつでも引き出して使うことができます。

「あの人は知識が豊富だ」という表現は、その人がたくさんのことを理解し、自分のものにしているという意味で使われます。

私の同僚に、何を聞いてもすぐに答えが返ってくる人がいます。

彼は読書が趣味で、毎月10冊以上の本を読んでいるそうです。

まさに「知識の塊」という感じで、会議でも頼りにされています。

「情報」の意味

「情報」とは、外部から伝えられる事実や知らせのことです。

ニュース、天気予報、SNSの投稿、友人からのLINEなど、私たちは毎日たくさんの「情報」を受け取っています。

情報の特徴は、流れてくるものであり、受け取った時点ではまだ自分のものになっていないという点です。

「情報を集める」「最新情報をチェックする」といった表現からもわかるように、情報は常に更新され、流動的なものです。

以前、友人が「ネットで調べた情報を鵜呑みにして失敗した」と話していました。

ダイエット情報を見てすぐに実践したものの、自分の体質に合わず体調を崩してしまったそうです。

情報はあくまで「素材」であり、自分で考えて取り入れることが大切だと感じたエピソードでした。

【一覧表】知識と情報の違いを比較

「知識」と「情報」の違いを表にまとめました。

比較項目	知識	情報
定義	学習・経験で身につけたもの	外部から伝えられる事実・知らせ
性質	蓄積されるもの（ストック）	流れるもの（フロー）
特徴	自分の中で理解・整理されている	受け取った段階では生のデータ
使い方の例	「歴史の知識がある」	「最新の情報を入手する」
言い換え	教養、理解、ノウハウ	ニュース、データ、知らせ

このように整理すると、両者の違いがはっきり見えてきます。

情報を受け取り、自分なりに理解して蓄えたものが知識になるというイメージを持つとわかりやすいでしょう。

辞書で比較！「知識」と「情報」の定義を検証

「知識」と「情報」の違いをより深く理解するために、複数の国語辞典で定義を調べてみました。

辞書によって説明の仕方や強調するポイントが異なるため、比較することで両者の本質的な違いが見えてきます。

広辞苑での定義

まずは、日本を代表する国語辞典「広辞苑」で調べてみました。

🔹 知識：ある事柄について知ること。また、その知られた内容。学問的な成果や認識。

🔹 情報：ある事柄についての知らせ。判断や行動のために必要な資料や知識。

広辞苑では、知識は「知られた内容」や「認識」という、頭の中に定着したものとして説明されています。

一方、情報は「知らせ」や「資料」といった、外から伝わってくるものというニュアンスが強く出ています。

大辞林での定義

次に「大辞林」での定義を確認しました。

🔹 知識：ある物事について知っていること。また、知っている内容。学問や経験などを通じて得られた、体系的な認識や理解。

🔹 情報：ある事柄の内容や事情についての知らせ。状況に関する知らせ。

大辞林では、知識について「体系的な認識や理解」という表現が使われています。

これは、バラバラの事実ではなく、整理されて自分のものになっている状態を指していると言えます。

情報は「事情についての知らせ」とあり、やはり伝達されるものという性質が強調されています。

明鏡国語辞典での定義

最後に「明鏡国語辞典」でも調べてみました。

🔹 知識：物事について知っていること。また、その内容。学習や経験によって得た、確かな認識や理解。

🔹 情報：ある事柄についての知らせ。判断や行動の材料となる知らせやデータ。

明鏡国語辞典では、知識を「確かな認識や理解」と表現しています。

自分の中でしっかり理解されているというニュアンスがより明確です。

情報については「判断や行動の材料」という実用的な側面が強調されており、まだ加工されていない素材という意味合いが読み取れます。

3つの辞書を比較してわかったこと

3つの辞書の定義を表にまとめてみましょう。

辞書名	知識	情報
広辞苑	知られた内容、学問的な認識	知らせ、判断のための資料
大辞林	体系的な認識や理解	事情についての知らせ
明鏡国語辞典	確かな認識や理解	判断や行動の材料となる知らせ

3つの辞書を比較して気づいたのは、以下の共通点です。

🔸 知識は「認識」「理解」という言葉が共通して使われており、自分の頭の中で整理・定着している状態を指している

🔸 情報は「知らせ」「材料」「資料」という言葉が共通しており、外部から伝わってくる、まだ加工されていないものを指している

つまり、情報は「入ってくるもの」、知識は「身についたもの」という違いが、どの辞書にも一貫して表れていることがわかりました。

「知識」と「情報」の使い分け

辞書での定義を確認しましたが、実際の場面ではどう使い分ければいいのでしょうか。

ここでは日常生活・ビジネス・学校という3つのシーンで、「知識」と「情報」の違いを具体例を交えて解説します。

日常生活での例（天気予報・料理レシピ）

日常生活の中にも「知識」と「情報」の違いがはっきり表れる場面があります。

【天気予報の場合】

🔹 情報：「明日は午後から雨が降るらしい」というニュースを見た

🔹 知識：「この地域は山に囲まれているから、天気が変わりやすい」と理解している

天気予報で得られるのは「情報」です。

一方、長年その土地に住んでいる人が経験から身につけた「この雲が出たら雨になる」といった理解は「知識」になります。

【料理レシピの場合】

🔹 情報：レシピサイトで「肉じゃがの作り方」を調べた

🔹 知識：「煮物は落し蓋をすると味が染み込みやすい」とわかっている

レシピを見ながら作るのは「情報」を使っている状態です。

しかし、何度も作るうちに「このくらいの火加減がちょうどいい」とわかってくると、それは「知識」として自分の中に蓄積されていきます。

ビジネスでの例（会議資料・ノウハウ）

ビジネスの現場では、「知識」と「情報」を区別することがとても重要です。

【会議資料の場合】

🔹 情報：「今月の売上は前月比10％増だった」という報告を受けた

🔹 知識：「この時期は毎年売上が伸びる傾向がある」と把握している

売上データそのものは「情報」です。

しかし、過去のデータを分析して「なぜこの時期に売上が伸びるのか」を理解していれば、それは「知識」となり、次の戦略に活かせます。

【仕事のノウハウの場合】

🔹 情報：「この業務はAさんが担当している」と聞いた

🔹 知識：「この業務を効率よく進めるには、先にBの作業を終わらせるとスムーズ」と身につけている

私の知人が転職したとき、引き継ぎ資料だけでは仕事がうまく回らなかったそうです。

前任者に直接話を聞いて初めて「なぜこの順番で作業するのか」が理解でき、スムーズに業務が進むようになったと言っていました。

マニュアルに書かれた「情報」だけでなく、経験から得た「知識」の大切さを実感したエピソードです。

学校での例（教科書・テスト結果）

学校生活でも「知識」と「情報」の違いは身近に存在しています。

【教科書の場合】

🔹 情報：教科書に「1603年に江戸幕府が開かれた」と書いてある

🔹 知識：「なぜ徳川家康が江戸を選んだのか」まで理解している

教科書に載っている年号や出来事は「情報」です。

しかし、その背景や理由まで理解して自分の言葉で説明できるようになると、「知識」として定着したと言えます。

【テスト結果の場合】

🔹 情報：「今回のテストは80点だった」という結果を受け取った

🔹 知識：「自分は計算問題は得意だけど、文章題が苦手」と把握している

テストの点数は「情報」にすぎません。

しかし、何度もテストを受けるうちに「自分はどこが得意でどこが苦手か」がわかってくると、それは自分自身についての「知識」になります。

この知識があれば、効率的な勉強計画を立てられるようになります。

「知識」と「情報」を正しく使い分ける3つのポイント

「知識」と「情報」の違いは理解できても、実際に文章を書いたり会話で使ったりするとき、どちらを選べばいいか迷うことがあります。

ここでは、迷わず使い分けられるようになる3つのポイントを紹介します。

ポイント①「固有名詞＋情報」「一般名詞＋知識」

使い分けに迷ったときは、前につく言葉が固有名詞か一般名詞かで判断する方法が便利です。

【固有名詞＋情報】

• 「A社の情報」
• 「○○さんの情報」
• 「iPhone16の情報」
• 「東京オリンピックの情報」

【一般名詞＋知識】

• 「経営の知識」
• 「歴史の知識」
• 「プログラミングの知識」
• 「医学の知識」

このように、特定の対象について知りたいときは「情報」、ある分野全般について語るときは「知識」を使うとしっくりきます。

たとえば「A社の知識」とは言いませんし、「経営の情報」も少し違和感があります。

この法則を覚えておくと、多くの場面で迷わず使い分けられるようになります。

ポイント②情報は流れるもの、知識は蓄積されるもの

「知識」と「情報」は、動き方のイメージで区別することもできます。

🔹 情報＝フロー（流れ）

• 次々と新しいものが入ってくる
• 時間が経つと古くなる
• 「情報が流れる」「情報を受け取る」

🔹 知識＝ストック（蓄積）

• 一度身につけると残り続ける
• 積み重ねるほど増えていく
• 「知識を蓄える」「知識が身につく」

川の水のように流れていくのが「情報」、ダムに溜まった水のように蓄えられるのが「知識」とイメージするとわかりやすいでしょう。

「最新の情報」とは言いますが、「最新の知識」とはあまり言いません。

逆に「豊富な知識」とは言いますが、「豊富な情報」は少し不自然です。

この動きの違いを意識すると、自然な表現を選べるようになります。

ポイント③行動や判断に活かせるかどうか

もう一つの見分け方は、その内容が行動や判断に直接活かせる状態かどうかで考える方法です。

🔹 情報：受け取った段階では、まだ「材料」にすぎない

🔹 知識：自分の中で消化され、行動や判断の「土台」になっている

たとえば、料理に例えるとこうなります。

段階	料理で例えると	知識・情報で例えると
材料を買ってきた	野菜や肉がある	情報を集めた
調理して料理が完成	カレーができた	知識として身についた
おいしく食べられる	栄養になる	判断や行動に活かせる

情報をたくさん集めても、それだけでは何も変わりません。

集めた情報を自分なりに整理し、理解して初めて「知識」となり、実際の行動に活かせるようになります。

「情報を知識に変える」という表現があるのは、このような理由からです。

【クイズ】「知識」と「情報」どちらを使う？

ここまで学んだ内容を、クイズ形式で確認してみましょう。

カッコの中に「知識」と「情報」のどちらが入るか、考えてみてください。

問題①：「台風の（　　）を集める」

答え：情報

「台風の情報を集める」が正解です。

台風は「特定の気象現象」であり、固有名詞に近い扱いになります。

また、台風の進路や勢力は刻々と変化するため、「流れてくるもの」という性質を持っています。

「台風の知識を集める」とすると、「台風とは何か」「台風が発生する仕組み」といった学問的な内容を学ぶニュアンスになります。

今まさに接近している台風について調べる場合は「情報」を使いましょう。

問題②：「歴史の（　　）が豊富だ」

答え：知識

「歴史の知識が豊富だ」が正解です。

「歴史」は一般名詞であり、特定の出来事ではなく分野全体を指しています。

また、「豊富だ」という表現は、蓄積されたものに対して使う言葉です。

「歴史の情報が豊富だ」とすると、何か特定の歴史的事件についてのニュースやデータがたくさんあるという意味になり、少し不自然です。

ある分野について幅広く理解している状態を表すなら「知識」を選びましょう。

問題③：「最新の（　　）をチェックする」

答え：情報

「最新の情報をチェックする」が正解です。

「最新の」という言葉がポイントです。

情報は常に更新され、新しいものが次々と入ってくる性質があります。

一方、知識は一度身につけたら古くなるものではありません。

「最新の知識をチェックする」という表現は、学術分野で新しい研究成果を確認するような場面では使えますが、日常的な文脈ではやや不自然です。

ニュースやSNSで新しい内容を確認する場合は「情報」を使いましょう。

【まとめ】迷ったときのチェックリスト

チェック項目	「情報」を使う	「知識」を使う
前につく言葉は？	固有名詞・特定の対象	一般名詞・分野全体
性質は？	流れるもの・変化するもの	蓄積されるもの・定着したもの
一緒に使う言葉は？	最新の・集める・入手する	豊富な・身につける・蓄える

このチェックリストを参考にすれば、迷ったときでも正しく使い分けられるようになります。

「データ」「知識」「情報」「知恵」の関係性（DIKWピラミッド）

「知識」と「情報」の違いをさらに深く理解するために、「DIKWピラミッド」という考え方を紹介します。

これは情報学や認知科学の分野で使われるモデルで、「データ」「情報」「知識」「知恵」の4つがどのような関係にあるかを示したものです。

データとは？

データ（Data） は、DIKWピラミッドの一番下に位置する土台です。

データとは、まだ整理されていない、バラバラの事実や数字のことを指します。

それ単体では意味を持たず、ただの記号や数値の羅列にすぎません。

【データの例】

• 「25」「晴れ」「東京」
• 「150cm」「50kg」「30歳」
• 「2024」「12」「25」

これらの数字や言葉を見ただけでは、何を表しているのかわかりません。

データはあくまで「素材」であり、加工されて初めて意味を持ちます。

H3：情報とは？

情報（Information） は、データに意味や文脈が加わったものです。

バラバラだったデータを整理し、関係性を持たせることで「情報」になります。

誰かに伝えられる形になった状態とも言えます。

【データから情報への変換例】

データ	情報
「25」「晴れ」「東京」	「東京の気温は25度で晴れ」
「150cm」「50kg」「30歳」	「30歳女性、身長150cm、体重50kg」
「2024」「12」「25」	「2024年12月25日」

このように、データを組み合わせて文脈を与えると、他の人にも伝わる「情報」になります。

ただし、この段階ではまだ「受け取っただけ」の状態で、自分のものにはなっていません。

知識とは？

知識（Knowledge） は、情報を自分の中で理解・整理したものです。

情報を受け取り、「なぜそうなるのか」「どう活用できるか」を考えて自分なりに消化すると、「知識」として定着します。

行動や判断の土台になる状態です。

【情報から知識への変換例】

情報	知識
「東京の気温は25度で晴れ」	「25度なら半袖で過ごせる」と理解している
「A社の売上が前年比20%増」	「新商品が好調だったから売上が伸びた」と分析できる
「この薬は食後に飲む」	「空腹時に飲むと胃に負担がかかるから食後がいい」とわかっている

知識は一度身につけると、似たような場面で応用できるようになります。

単なる情報の暗記ではなく、理解を伴っているのが特徴です。

知恵とは？

知恵（Wisdom） は、DIKWピラミッドの頂点に位置するものです。

知恵とは、蓄積した知識を状況に応じて適切に使いこなす力のことを指します。

単に「知っている」だけでなく、「どう使うべきか」を判断できる状態です。

【知識から知恵への変換例】

知識	知恵
「25度なら半袖で過ごせる」	「でも夕方は冷えるから、羽織りを持っていこう」
「新商品が好調だと売上が伸びる」	「次は別のターゲット層に向けた商品を開発しよう」
「食後に薬を飲むと胃に優しい」	「この人は食事が不規則だから、別の飲み方を提案しよう」

知恵は経験を積むことで磨かれていきます。

「あの人は知恵がある」と言われる人は、知識を状況に合わせて柔軟に活用できる人のことです。

4つの階層を図解で理解

DIKWピラミッドの4つの階層を、図と表で整理してみましょう。

 

 

階層	意味	特徴	例
データ	生の事実・数字	意味を持たない	「25」「東京」「晴れ」
情報	整理されたデータ	伝達できる形	「東京は25度で晴れ」
知識	理解されたもの	自分の中に定着	「25度なら半袖でOK」
知恵	活用する力	状況に応じて判断	「夕方は冷えるから上着も持つ」

このピラミッドを意識すると、「情報をたくさん集めても、知識にしなければ意味がない」「知識があっても、知恵がなければ活かせない」ということがよくわかります。

「知識」と「情報」に関するQ&A

「知識」と「情報」の違いについて、よくある疑問をQ&A形式でまとめました。

日常やビジネスで役立つ内容ですので、ぜひ参考にしてください。

Q1. 「情報」を「知識」に変えるにはどうすればいい？

A. 情報を自分の頭で整理し、「なぜ？」「どう使う？」を考えることが大切です。

情報を受け取っただけでは、すぐに忘れてしまいます。

知識として定着させるには、次の3つのステップが効果的です。

🔹 ステップ①：情報を整理する

受け取った情報を、自分なりにまとめ直してみましょう。

ノートに書いたり、人に説明したりすると効果的です。

🔹 ステップ②：「なぜ？」を考える

「なぜそうなるのか」「なぜ重要なのか」を考えることで、情報の意味が深く理解できます。

🔹 ステップ③：実際に使ってみる

得た情報を仕事や生活で実践してみましょう。

使うことで記憶に残りやすくなり、知識として定着します。

「聞いただけ」「読んだだけ」で終わらせず、自分の言葉で説明できるレベルを目指すのがポイントです。

Q2. ビジネスで「ナレッジ」と呼ぶのはなぜ？

A. 「ナレッジ」は英語の「Knowledge（知識）」のことで、ビジネスでは特に「業務に役立つ知識やノウハウ」を指します。

日本のビジネスシーンでは、「ナレッジを共有する」「ナレッジマネジメント」といった表現がよく使われます。

これは単なる情報の共有ではなく、経験や判断を含んだ、実務に活かせる知識を意味しています。

たとえば、次のような違いがあります。

情報の共有	ナレッジの共有
「A社との契約が決まりました」	「A社との交渉では、こういう提案が効果的でした」
「今月の売上は100万円でした」	「このキャンペーンが売上アップにつながりました」

ナレッジには「なぜうまくいったか」「次にどう活かすか」という視点が含まれています。

だからこそ、組織の財産として大切にされるのです。

Q3. 「知識がある人」と「情報通」の違いは？

A. 「知識がある人」は深く理解している人、「情報通」は新しい情報をたくさん知っている人です。

この2つは似ているようで、実は違う能力を指しています。

知識がある人	情報通
特定の分野に詳しい	幅広いジャンルの最新情報を知っている
「なぜ」「どうやって」を説明できる	「何が起きたか」を素早く伝えられる
深さ重視	広さ・速さ重視

たとえば、「あの人は経済の知識がある」と言われる人は、経済の仕組みや理論を理解しています。

一方、「あの人は情報通だ」と言われる人は、最新のニュースや噂をいち早くキャッチするのが得意です。

どちらが優れているというわけではなく、役割が違うと考えるとよいでしょう。

Q4. 情報過多の時代に必要な力とは？

A. 情報を「選ぶ力」と「知識に変える力」が重要です。

現代は、スマホひとつで膨大な情報にアクセスできる時代です。

しかし、情報が多すぎて「何が正しいかわからない」「情報に振り回される」と感じる人も増えています。

こうした時代に必要なのは、次の2つの力です。

🔹 情報を選ぶ力（情報リテラシー）

すべての情報を鵜呑みにせず、「この情報は信頼できるか」「自分に必要か」を判断する力です。

発信元を確認したり、複数の情報源を比較したりする習慣が大切です。

🔹 知識に変える力

集めた情報を整理し、自分の中で理解して蓄える力です。

「読んで終わり」ではなく、「考えて、使ってみる」ことで知識になります。

情報をたくさん持っているだけでは意味がありません。

必要な情報を選び、自分の知識として活かせる人が、これからの時代に求められています。

Q5. 子どもに「知識」と「情報」の違いを説明するには？

A. 「情報は聞いたこと、知識はわかったこと」と伝えるとわかりやすいです。

子どもに説明するときは、身近な例を使うと理解しやすくなります。

【例え話】

「明日の給食はカレーだよ」って友だちから聞いたら、それは情報。

「カレーにはいろんなスパイスが入っていて、体を温める効果があるんだよ」ってわかっていたら、それは知識。

もう少し詳しく伝えるなら、こんな説明も効果的です。

情報は「耳から入ってくるもの」。

知識は「頭の中に残るもの」。

聞いただけじゃ忘れちゃうけど、ちゃんと考えて覚えたら自分のものになるんだよ。

このように、情報は「外から来るもの」、知識は「自分の中に残るもの」というイメージで伝えると、子どもでも違いを理解しやすくなります。

まとめ

「知識」と「情報」の違いは、一言でいうと「情報は外から入ってくるもの、知識は自分の中に蓄積されたもの」です。

情報はニュースやSNSのように流れてくる性質があり、「固有名詞＋情報」の形で使われることが多いです。

一方、知識は学習や経験を通じて身につくもので、「一般名詞＋知識」の形で使われます。

さらに、DIKWピラミッドで見たように、データ→情報→知識→知恵という階層があり、情報を理解して初めて知識になり、知識を活用できるようになって知恵となります。

情報があふれる現代だからこそ、ただ情報を集めるだけでなく、自分の頭で考えて知識に変える習慣を大切にしていきましょう。