近江清秀公認会計士税理士事務所 所長BLOG

2016.01.09更新

平成28年4月1日以降取得する建物付属設備並びに構築物について減価償却の方法が定率法から定額法に変更されるので、

当社では来期に予定していた老朽化した工場の移転を前倒しして28年3月末までに行うことになりました。

それに関連して以下のような諸問題に直面しています。回答をご教示ください。

 

1 機械の移設に係る費用

上記のとおり老朽化した工場の移転に伴い機械装置を移転するための支出が発生します。

この支出を今期の損金として処理することはできるでしょうか。

機会装置の移転に伴う支出の処理については基本通達7-3-12に定められています。

すなわち「集中生産又はよりよい立地条件において生産を行う等のため[i]」の移転費[ii]は、

その機械装置の取得価額に算入します。

 

今回の問い合わせからは、移転の目的が集中生産又はより立地条件において生産を行う

ことであることは明らかではありません。

しかし、工場の移転は会社にとって多額の支出を伴う重要な意思決定であり、

現状と比べて生産効率の改善あるいは長期的な経費の削減等の具体的な試算が

行われていると考えるのが一般的です。

そのため今回の工場移転に伴う機械装置の移転費は、移転直前の当該機械の取得原価に

算入するべきと考えます。

ただし、移設費の額の合計額が当該機械装置の移設直前の帳簿価額の10%に

相当する金額以下であるときは、旧据付費[iii]に相当する金額を損金の額に算入しないで、

当該移設費の額をその移設をした日の属する事業年度の損金の額に算入することができます。

今回の類似事例として賃借中の機械装置を移設する場合の移設費の取扱については、

国税不服審判所の裁決事例[iv]があります。



[i]基本通達7-3-12
[ii]運賃、据付費等その移設に要した費用で解体費を除く(基本通達7-3-12)
[iii]当該機械装置の移設直前の帳簿価額のうちに含まれている据付費
[iv]裁決年月日昭和53年2月22日『請求人は、機械を移設するため支出した費用を損金算入するべきと主張した。それに対して、国税不服審判所は、所有する機械装置を移設する場合の移設費は取得価額に算入することが相当であることをかんがみれば、今回の移設費用は繰延資産に該当し、効果の及ぶ期間に対応して費用の配分を行うことが妥当と判断した。』

投稿者: 近江清秀公認会計士税理士事務所 所長

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